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日志


桜はまだ満開ではない

あなたは言った
何気なく
小鳥が蜜を吸っては花を落としてゆく
 
わたしは思った
唐突に
散るならば、蜜を吸われて落とされるもいい
 
桜はまだ満開ではない

更新

コツコツと
コツコツと
更新をする
 
助けを求める
モールス信号のように
 
いつか誰かに
気づいてもらうまで

ダメ人間

私の中にいるダメ人間が

私を頑張らせない

今朝の天気

今朝の天気は想像するのにぴったりだ

自転車で会社への道を走りながら
私は神経を平たくしていく

そうすると
だんだんと

西十間川は
チャオプラーヤー川の支流に変わり

そこで話ている人の言葉は
私の理解できない言語にかわる

私の向かう場所は
バンコクの小さな旅行社なのだ

そうやって
私はときどき旅に出る

私の人生の半分は
現実ではなく
架空のもの

でも
その架空が
私の現実

もし
想像することを禁止されたら
私の人生はないも等しい

私は
豊かな空想者で
哀れな机上の旅人

後悔とその結果の詩

久しぶりに雨が降った

もうすぐ春だから
冷たい雨ではないだろうと思った

だから手袋を置いてきた

しばらく歩くと
傘を持つ手が冷たくなった

失敗したなと思った

もうすぐ春なのに
雨はとても冷たく私の手は凍えた

手袋は部屋に置いてきた

でももう戻るには
遠くまできてしまった

失敗したなと思った

けれど仕方ないので
私は諦めて歩いた

そしてこの詩ができた

友へ贈る歌

君は船乗り
波を切りながら進んで行く

夜は時に針を狂わせ
この場所を見失う

それでも船乗りは
星を見ることができる

だから君は
波を切りながら進んで行ける

行く先を見失ったら
空を見上げることを思い出して

星はかならず
君の行くべき道を教えてくれる

ミックスジャム

定年で辞めたタテカワさんは
出張に行くと
あんずジャムを買ってきてくれました

初めて買ってきてくれたとき
おいしかったと言ったら
それから毎回あんずジャムを買ってきてくれました

タテカワさんの仕事を引き継いだ
シマザキさんは
この贈り物も引き継いでくれました

初めて買ってきてくれたとき
いろんな種類があったから
あんずジャムじゃなくてブルベリーを買ってきてくれました

今度はイチゴジャムをくれました
イチゴがそのままの形でジャムになってる
りっぱなジャムです

おいしいといったものを買い続けてくれたタテカワさんのやさしさと
色んなものがあるので色々試してくれるシマザキさんのやさしさと

二人のやさしさが入った
これはミックスジャムです

彼とポインセチア

休日の昼間
彼はマフィンを作る

小麦粉をはかり
ベーキングパウダーを入れる

マフィン作りは
今始ったばかり

おいしくできるかは
まだわからない

でもきっとうまくいく

部屋の窓ぎわ
ポインセチアがある

この花は
去年もらったもの

もう春がくるが
まだまだ赤い

きっとうまくいく

ひび

大事なカップに
ひびがはいった
割れないでと
祈りながら
カップに口をつける
そして今日も
カップを
使うことができた

大事なカップに
ひびがはいった
気がついたら
いつのまにか
カップに口をつけた
どうか明日も
カップよ
使えますように

考えると罪になる
 
だから考えない
 

せつなさも

せつなさも

嫌いじゃない

失恋は

失恋は風邪に似ている。

とてもだるくて力が出ません。

でも寝れば治るよ。

大丈夫、心配しないで。

わたしにとって

 
して欲しくないことを言うのは簡単だけれど
して欲しいことをいうのは難しい。

ききわけ

ききわけの
 
いい人には、なりたくありません。

お裁縫

悲しいことがあったときには、スカートを作ります。
 
ブラウスも作ります。ズボンも作ります。
 
そーしたら、心の傷も縫い合わされる。
 
そー信じて
今夜もミシンを踏むのです。
 

ピニャコラーダ

コーヒーを入れるサイフォンを初めて見たのは、ママに連れられていった喫茶店。

キーライムパイという言葉を初めて聞いたのは、何かのテレビコマーシャル。

そしてそれを初めて食べたのは横浜散歩中。

ピニャコラーダを初めて知ったのは四ツ谷のブラジル料理店。

アボカドを初めて口にしたのは親戚のおうち。

そしてそれを初めておいしいと思ったのはバカンスでいったハワイ。

 

思い出は味わい深い。